「ビットコインに手を出すな」、個人投資家への警告

「ビットコインに手を出すな」、個人投資家への警告

  • WSJ日本版
  • 更新日:2017/10/13
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個人投資家にとって、いまは運用資産の一部をビットコインに振り向ける好機なのだろうか。

最近ではそうした質問を受ける機会が増えている、というのが金融アドバイザーらの感想だ。ビットコイン相場は今年に入ってから4倍超に急騰した。また、コインデスクの「ICOトラッカー」によると、大きな話題となっている「イニシャル・コイン・オファリング(ICO)」を通じて、これまでに計20億ドルが調達された。資産運用のプロたちからは、仮想通貨に興味がある投資家が増えているとの声が聞かれる。ビットコイン相場は2016年末には968ドル程度で推移していたが、今週は5000ドルの大台に乗せた(コインデスク調べ)。

ただ、どの分野のアドバイザーも、仮想通貨への投資や、それに連動する商品への投資を推奨していないケースが多い。仮想通貨の取引には数多くの市場リスクや規制リスクが伴う。アドバイザーらはビットコインなどの仮想通貨について、将来的には投資機会を提供するかもしれないが、現状では投機の域を超えていないため、投資家は慎重に投資するか、そもそも投資しないことが望ましいと話している。

米フォード・ファイナンシャル・ソリューションズの創業者、ジュリー・フォード氏は「上昇を期待できるのは魅力的だが、大きな損失リスクを伴うため、学費や住宅購入資金、退職後の生活資金を長期的にためる堅実投資には向かない」と述べた。

フォード氏によると、45歳の顧客が最近、個人年金保険の大部分を解約し、税金と違約金を差し引いた金額をビットコインに投資する計画を明らかにした。

仮想通貨に関して負うリスクはごくわずかなものにとどめておくべき、というのが同氏の考えだ。そのような投資を考えている人は、「負債がゼロ」で「緊急時に備えた一定の蓄え」があり、「退職後の生活費や学費をためるという目標の達成に向けて順調」で「十分な手元資金がある」ことが望ましいと同氏は言う。

ビットコインは値動きが荒いことで知られる。2013年には年初に13.50ドル程度だった価格がその後1200ドル超へ急騰。ところが、同年12月に中国人民銀行(中央銀行)が金融機関などによるビットコインの取り扱いを禁じると、そこから50%ほど下落した。

2014年にビットコイン取引所「マウントゴックス」の運営会社が破綻した際もビットコインは急落し、同年2月1日から3月末までの下落率は40%近くに達した。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのグローバルアセットアロケーション部門責任者、トレーシー・マクミリオン氏は「ビットコインと同じくらい価値が大きく変動するものは、通貨として非常に利用しにくい」と述べた。

アドバイザーらは別のリスク要因として、規制の行方が不透明な点を挙げている。政府当局はビットコインなどの仮想通貨の利用や販売を制限ないし管理する可能性がある。

米国では現在、ビットコインに連動するミューチュアルファンドやETF(上場投資信託)は1本もないが、そうした商品の上場を目指している企業は幾つかある。仮想通貨投資ファンドが承認されれば規制当局のお墨付きを得ることになるが、否認されれば投資家心理に悪影響が出るだろう。

マクミリオン氏によると、仮想通貨相場との連動を目指す投資商品は、「厳密に連動することができない」こと、そして「流動性の低さ」という2つのリスクを抱えている。例えば、米グレイスケール・インベストメンツが運用する「ビットコイン・インベストメント・トラスト」は、そのビットコイン投資価格に大幅なプレミアムが付いた価格で推移している。

アドバイザーらは、犯罪に関わるリスクもあると話す。マクミリオン氏によると、ビットコインの利点の1つは、低コストかつ匿名で支払いができることにある。こうした支払いは、第3者機関を挟まず売り手と買い手が直接取引するピアツーピア(P2P)という仕組みを通じて行われている。ビットコインが効率的で移転可能な通貨であるのは、こうした特性を備えているからだが、それゆえに闇市場、すなわちマネーロンダリング(資金洗浄)などの違法活動に利用される恐れもあると同氏は言う。そうなれば投資家が損失を被りかねない。

さらに、ハッカー攻撃を受け、仮想通貨や暗号キーが盗まれたり、システム障害にさらされたりするリスクもある。多額のビットコインが盗まれるという事件はすでに数件発生している。

マクミラン氏は、なくしたら見つからないという点では現金にそっくりだと語った。

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