異国の地でセットアッパーに 荒波を乗り越えて輝く「ハーバード大卒右腕」

異国の地でセットアッパーに 荒波を乗り越えて輝く「ハーバード大卒右腕」

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  • 更新日:2017/11/14
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楽天のフランク・ハーマン【写真:荒川祐史】

加入1年目で輝き放った楽天ハーマン

世界屈指の名門大学で学位を取得しながらメジャーの舞台を経験し、大手術を乗り越えてチャンスをつかんだ不屈の右腕。楽天のハーマン投手のキャリアは、まさに波乱万丈だ。ハーバード大学出身のインテリ投手として入団時から注目を集めていたが、単なる話題性だけにとどまらない存在だったことは、今季のピッチングによって証明済みだろう。

ハーマンは2005年にインディアンスに入団し、5年後にメジャーデビューを果たす。この年はMLBで40試合に登板してセーブも1つ記録し、防御率は4.03。その実力が最高峰の舞台でも通用することを示した。翌年も40試合に登板して防御率は5.11ながら、4勝0敗。続く2012年には登板数は15試合に減ったものの、防御率が2.33と良化し、MLBの舞台でも着実に成長の跡を見せつつあった。

ところが、2013年、30歳にしてトミー・ジョン手術を受けてからは長く苦しい闘いを強いられることに。翌年にインディアンスを自由契約となり、マイナー球団を渡り歩く。2016年にようやくフィリーズで術後初のMLB昇格。14試合で1勝2敗、防御率8.40と以前のような成績こそ残せなかったが、大手術からの復活を印象付けるシーズンとした。

そしてその年のオフ、そんなハーマンに対して、楽天が白羽の矢を立てる。安部井寛チーム統括本部本部長は「数年前から追い続けていた投手ですが、一時期怪我で投げられなくなりました。ここ2年しっかりと回復しており、以前よりスピードが増し、真っ直ぐに魅力のある投手です」と語る。ハーマン自身も、かねてより日本には興味があったと言い、こうして異色の経歴を持つ右腕は、海を渡る機会をつかむことになった。

客観的な「日米比較リポート」も

久米島で行われた入団会見の場で「監督が僕を使うと勝てる、そういう自信に満ち溢れるような選手になりたいです」と意気込んだが、その言葉通り、1年目から勝ちパターンの一角として存在感を発揮。ボークで苦しむ場面も見られたが、開幕戦で1イニングを無失点に抑えていきなり初セーブを挙げると、そこから7試合連続無失点。松井裕投手につなぐセットアッパーを務め、8月頭まで防御率1点台~2点台前半を維持し続けた。

終盤にはやや不調に陥ったものの、最後の6試合を無失点に抑える快投でシーズンを締めくくる。通算で56試合に登板し、3勝1敗33ホールド1セーブ、防御率2.72という成績でチームのAクラス入りに大きく寄与。ハーマンが年間を通してチームの勝利に貢献してきたことは、福岡ソフトバンクの岩嵜に次ぐリーグ2位のホールド数が如実に表している。

そんなハーマンは、仙台の環境も気に入っているようだ。5月11日の千葉ロッテ戦でお立ち台に上がった際には「楽天ファンというのはリーグトップだと思っていますし、外で投げる解放感が素晴らしいと思います」と語った。今季の中盤、アメリカのデータサイトに日本球界に対する鋭い考察を寄稿したことで注目を集めたのも記憶に新しいが、聡明さを窺わせる客観的な「日米比較リポート」もインテリならではだ。

10月24日に帰国の途に就いたが、来季の契約は確実視されている。日本語のみならず漢字を習得するなど、慣れない異国の環境に溶け込もうとする姿勢も素晴らしい33歳。来季は真価が問われる1年となるが、不屈の精神と頭脳を兼ね備えた豪腕が、2018年も杜の都に勝利を届けてくれるはずだ。

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