3年生座談会 豊田工業高等学校(愛知)「豊田工の歴史を変えた史上初のベスト8」【後編】

3年生座談会 豊田工業高等学校(愛知)「豊田工の歴史を変えた史上初のベスト8」【後編】

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  • 更新日:2017/10/12

この夏、愛知大会で並み居る私学の強豪校に割って入る形で、ベスト8入りした豊田工。2回戦では尾張の私学の精鋭・誠信を完封し、4回戦では好投手を擁する豊明に快勝。そして5回戦では昨秋の準優勝校で東海地区大会にも進出している桜丘に競り勝ってベスト8進出。そして、準々決勝では、前年優勝校の東邦に対して序盤リード。雷雨による中断で、流れが変わったものの、王者をヒヤリとさせる戦いぶりは、高く評価された。そんな戦いを、豊田工3年生たちに振り返ってもらった。

<メンバー>
主将・橋本 翔(捕手)
リードオフマン・小野 舜介(中堅手)
4番打者・酒井 健汰(投手兼一塁手)
一塁コーチャー・高木 章太郎(内野手)

春は予選全勝も、県大会で初戦敗退

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酒井 健汰(豊田工)

――そうして迎えた春でしたが、西三河一次ブロック予選は目標通り全勝で通過して自信で臨んだ県大会でしたが、初戦で西春に敗退します。

橋本:先を見すぎたというか、次が至学館だったので、そこを意識し過ぎて目の前のことを見落としていました。

小野:雨で試合開始が2時間くらい遅れて、その過ごし方も難しかったですね。(試合前の挨拶が終わった後に、突然の雷雨で約2時間中断、待機のあとに開始された)

――その負けを踏まえて、その後の全三河大会(愛知県では、春季大会にほぼ並行して全三河、全尾張、尾東という、それぞれの地区での大会が開催されている)では準優勝しますね。しかも、決勝は、豊川と延長15回、素晴らしい投手戦でした。夏の大会だったら名勝負の一つに数えられるくらいの内容でした。

橋本:全三河の決勝は、「ゾーンに入っていた」ということを、平松先生もよく言われていました。あの試合は間違いなく自信にもなったと思います。

小野:あの試合で、自分たちはなかなか負けないチームなんだということを実感しました。

酒井:ギリギリの戦いでも、気持ちは切れなかったですからね。ミスしても、誰かが何とかしていかれるということもわかりました。

―― こうして、いいムードで夏の大会へ向かうことが出来たんですね。

高木:そうです。ただ、初戦の安城はよく知っている相手だったので、ちょっとやりにくかったんですが、次の誠信はいい感じで戦えました。

―― 完封で勝っていますね。4回戦は、好投手と評判だった大矢君のいる豊明だったんですが。

橋本:その前に、昭和との3回戦があって、これはスイッチが入りきらず、結構乱戦になったんですが、それを乗り切れました。それで勢いをつけて行けたのですが、豊明の大矢(圭一郎)投手はインコースが多いと聞いていたのですが、それを踏み込んでいけました。

―― 橋本君は、ここで本塁打も打っていますね。

橋本:はい。嬉しかったですね。

勝負所で飛び出した一撃、そして昨年王者と対戦

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高木君(左)と酒井君(右)

――そして迎えた、ベスト8決めの5回戦。愛知大会の場合は、ここから再抽選ということで、もう一ランク上の次の大会が始まるという雰囲気になっています。平松監督は、この桜丘戦に対しては、かなりの自信を持って挑めたと言われていましたが、どうでしたか。

橋本:そうですね、自信をもってぶつかって行かれたと思います。

小野:相手の投手は、注目されていましたけれども、自分たちもここまでやって来たことには自信がありましたから、負ける気はしなかったと思います。

――リードしていた試合を追い上げられて、最後、酒井君が本塁打してリードを広げていくという試合だったのですが。

酒井:はい、この試合ではボクの前の鳴川がすごく当たっていて、球界はその鳴川に送らせて、ボクに勝負させてくれたんです。もう、鳥肌が立つくらい気持ちが入りました。

――そして、そんな期待に応える、一打が出ますね。

酒井:最高でしたね。

高木:ベンチでも、みんな興奮していました。

――この勝利のあとで、抽選となるのですが、実はその段階で相手としては東邦愛知しか残っていませんでした。

橋本:はい、東邦とやりたいと思っていて、その通りになりました。

――いよいよベスト8の対戦ですが、東邦相手に、3点先取するんですよね。

酒井:そうです、自分が先発したんですけれども、とてもいい派入りで、それに3点取ってくれて、試合としては、とてもいい感じでした。

――ただ、そこで雨での中断となります。しかも、3時間近い中断で、途中で昼食をとるという指示が出て、異例の形の待機ということになりました。そして、中断開けからまったく別の試合のような展開になっていって逆転されてしまいます。

橋本:集中を切らせたということはなかったとは思うのですが。

酒井:打ち取ったかなと思った打球が間に落ちたりということもありました。流れが、向こうへ行ってしまっていましたね。

高木:タイムをとっても、流れが変わらなかったし、変えられませんでした。

小野:何だか、あっという間の大量点でした。

――結局、前年の優勝校東邦に、その勝負強さを見せつけられたような形になって、最後の夏を終わったんだけれども、その瞬間というのは、どんな気持ちでしたか。

酒井:力負けかなとは思いましたけれども、最後まで打者との勝負を楽しむことが出来たので、後悔ということはなかったです。

高木:何だか、あっという間だったので、最終回になっちゃった場面なんですけれども、(最後の打者になった鈴木)良路が出れば、自分が代打で行くということになっていたので、何としても出てほしかったですね。結局、そうならずに終わってしまったので、そのことは悔しいですね。

最後の戦いを終えて、今思うことは

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橋本君(左)と小野君(右)

――最後、ちょっと大差つけられた負け方だったのだけれども、結局、愛知県内でのベスト8は1校だけだったし、そうした部分についてはどうですか。

小野:最後、コールドだったので、そのことは悔しいですね。

橋本:悔しかったんですけれども、公立でもここまで戦えるということを見せられて、意地は示せたという気持ちはあります。それに、豊田工史上としても、初のベスト8でしたから、歴史を変えられたという気持ちはあります。

酒井:負けたときは勝てると思っていたので、悔しかったんですけれども、終わってから「よく頑張ったな」とか「お疲れ様」とか言ってもらえたので、それは、よかったかなとは思います。ただ、「あの雨がなかったら…」なんて言われると、そのことではグッときてしまいました。

高木:夏の応援は、ベンチにいても鳥肌が立ってくるくらい凄くて、それで奮い立ったところもあったと思いますし、チーム85人で戦っていったんだなぁという気はしました。

――それで、みんな、その先も野球に関わっていくことになるんですよね。

高木:はい、ボクはプレーは続けませんけれども、コーチとして、練習に参加させてもらい、将来は指導者を目指しています。

酒井、小野:ボクたちは、大学でも続けていこうと思っています。

橋本:自分も、大学で野球をやっていこうというつもりです。

豊田工業野球部のみなさん、ありがとうございました。

(構成/手束 仁

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