夏場は1カ月間丸々お休み!?謎多きピザ&スパゲティ店へ潜入してきた【大阪】

夏場は1カ月間丸々お休み!?謎多きピザ&スパゲティ店へ潜入してきた【大阪】

  • エンタメウィーク
  • 更新日:2017/08/10
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こんにちは。ミステリーグルメが大好きなメシ通レポーターのハシモトです。

今回、私が暮らす大阪・堺市で、“夏場の1カ月間はお休みする”とか、“宅配ピザや窯焼きピッツァでもないピザがある”とか、“有名人がお忍びでこっそり食べにくる”とか、関西のグルメな人々の間で噂になっている、謎多きピザ&スパゲティ店へ潜入し、謎の真相に迫ってみました。

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こちらが、堺で噂になっているお店「キャンティ」です。

最寄駅の南海高野線・堺東駅から徒歩数分とアクセス抜群の場所にあるお店で、店構えはなんともノスタルジック! 謎めいた雰囲気を盛り上げてくれますね。

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目印は、この看板です。というわけで、お店へ潜入します。

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家庭的で素朴な造りが特長。ゆったりとくつろげそうな店内は、店主の親しみやすそうな空気がにじみ出ています。

そして、パッと目につくのが、こちら!

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壁には、店名の由来にもなっている、イタリア・トスカーナ州キャンティ地方で作られた、ワインが飾られています(もちろん、中身は入っていません!)。よ〜く見るとわかるんですが、ボトルの形状といい、ボトルにかぶったワラ(コモが正式名称)といい、実に珍しいですよね! 海外の古い映画で見かけたことがあるような気もするボトルですが、いったいどこから仕入れたのでしょうか?

ではでは、さっそく謎に迫っていきましょう!

【謎】夏に1カ月間も休む驚くべき理由とは?

「まったく謎じゃないですよ。このお店を始めた先代が、ヨーロッパのバカンスを見習って、8月は丸々1カ月、お休みしていたんです。ぼくも、その教えに従ってそうしているだけです」

と、おっしゃるのは、オーナーシェフを務める、西川清さん。1974年に、17歳でこちらのお店にアルバイトとして働くようになり、先代が引退した1999年に独立し現在のお店をオープンした、この道40年以上の大ベテラン。

ちなみに、お休み中は何をされているのかたずねてみると、

「先代は、本場のピザやスパゲティなどの情報を仕入れるために、ヨーロッパ各地を奥様とふたりで旅行されていました。ぼくは、独立する前に一度、海外へ行きましたけど、今はもっぱらサーフィンです」

サーフィン!? そう言われてみると、肌がこんがり日に焼けて……。謎が謎を呼ぶ展開ですが、営業的にはそんなに長い期間、休まない方が得では? と思い、重ねて質問すると、

「先代から教えられたことなんですが、“儲け”とか“効率”を優先していないんです。お客様だけが楽しく食事をするのではなくて、私も楽しく料理をご提供する。お互いが楽しめる関係を築けるそんなお店を続けたいと思っているので、営業のことは二の次です。だから、1カ月間、サーフィン三昧でもいいんですよ」

なんと、1カ月間休むのは、ヨーロッパ的な生き方を体現していた先代オーナーの教えを受け継ぎ、「お客様だけではなく、お店側だって楽しむんだ!」ということを実践されていたわけですね!

なるほど。一つ目の謎が解けました!

【謎】宅配ピザでもなくピッツァでもない、ピザとは

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▲こちらがピザメニュー

多種多様なピザを取りそろえていますが、噂によると、私たちがよく食べる宅配ピザや、レストランのピッツァとは全く違うピザを提供しているというのです。いったい、どういうことなのでしょう?

「宅配ピザは、アメリカスタイルが中心で、本場イタリアのものがピッツァと呼ばれています。うちのピザはそのどちらでもありません。最も違うのが、ピザ生地です。一般的には、小麦粉と水をあわせて生地を作るのですが、私が作るピザには水を一切、加えません」

なんという謎でしょう!? 水を加えないのに、ちゃんと生地になる? この謎は、しっかり解いておきたいので、何を加えているのか聞いてみると……

「教えられません」

そらそう! 数十年かけて作ってきた調理法を軽々しく教えられるわけがありません。とはいえ、ここで引き下がれないので、しつこく質問してみました。すると、貴重なヒントが……。

「勉強するために、ピザの本とか雑誌を読むのですが、唯一、1店舗だけ近い調理法で生地を作っていましたよ。海外の店舗だったと記憶しています」

う〜ん。さすがに、それを探し出すのはむずかしいので、ここで諦めましたが、とにかく独自の方法を用いて生地を作っているということです。

採算度外視! コスパ最高のコース

こちらのお店では、原則コース料理のみ提供しているので、今回は西川さんオススメのピザとスパゲティを一度に味わえる「MWコース」3,100円を作っていただきました! ピザ、スパゲティのほか、スープ、ドリンク、アイス or コーヒーを楽しめる全5品。ボリュームもさることながら、その一品ごとのこだわりは“採算度外視”ともいえるほど。

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▲ちなみに、コースメニューがこちら。ガッツリ食べたい人からお一人様でも食べきれる量のメニューまで用意されているのがうれしい

では、さきほどの「MWコース」を、一品ずつどんなこだわりがあるのかご紹介していきましょう。

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▲1品目「ミネストラスープ」

こちらは、メインのピザやスパゲティと同じくらい人気があるというメニュー。トマトを中心に旬の野菜をふんだんに使ったスープです。

ご覧の通り土鍋で直接調理するので、届いたときには、スープがグツグツしているのが特徴。

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そのまま口に運べばやけどしそうなほどアツアツです。

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▲2品目「ナポリ(トマトソース)スパゲティ」

一見すると、一般的なスパゲティに見えますが、食べてみると驚き! 今まで味わったことがないようなモチモチ食感の麺が絶品なんです。それもそのはず。こちらの麺は、ゆで上げではなく、調理する前に一手間を加えているのです。

「ゆでたあと、しばらくザルにあげて蒸らします。その後、およそ24時間は冷蔵庫で寝かせて、調理直前に電子レンジで水気をとばして調理しているんです。この絶妙なモチモチ感はそうじゃないと作れないのですが、まわりと同じようにゆで上げならどれだけ楽かなとは思うんですけどね(笑)」

この手間暇は、コスパ最高といえるでしょう。

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▲3品目「ミックスピザ」

こちらが、謎のベールに包まれているピザ。

生地の上にトマトソースと、完熟トマト、マッシュルーム、ピーマン、ベーコン、エビがのった内容で、上から見た限りではそれほど特別なピザには見えないでしょう。ちなみにサイズは、Mサイズ19cm(Lサイズは、25cmです)。

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▲まずは、このチーズの伸びを見てください。これが、ピザの醍醐味(だいごみ)でしょう、みなさん

もちろん、このチーズにもこだわりを持っておられるんです!

「あらかじめカットされた市販のチーズは使用していません。ちょっと、油っぽく感じるんです。だから、チーズをブロックで購入して店内でカットしてから調理しているんです。チーズの種類は3種類。それぞれうま味が異なるものをミックスして使っています」

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▲そして、気になるピザ生地をご覧ください。横からの断面図です

驚異の薄さ! 大げさかもしれませんが、ほんのミリ単位の厚さほど。こうなってくると、カリカリの生地のような食感を想像してしまうでしょう?

いいえ。まったく違うんです!

表面はもちろんサクっとしていますが、口に入れてかむと、中はむっちり! 独特で、絶妙な仕上がりになっているんです。西川さんが「おそらく、この食感は食べたことがないでしょう」と自信を持っておられるのにも納得。

ピザ生地が特別ということは、ピザの焼き方だって西川さん流です。

残念ながら、調理風景や調理器なども“謎”のままにしておきたいということで、撮影はできませんでしたが、ちらっとのぞかせていただいたところ、そこは長年、使い込んだクラシカルな調理器などが並んでいました。

「調理は楽器の演奏と同じだと思っています。お客様を楽しませるためには、いつもの型通りではなく、その状況に適した調理が必要だと先代に教えられました。楽器を手入れして使い込むように、調理器もぼくが使いやすいようにメンテナンスをしながら使い続けています」

最新鋭のピザを焼くオーブンは、早くてキレイに焼けるけれど、西川さんが焼くピザには適していないので使っていないという。う〜ん、どこまでもこだわりが強い!

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▲4品目「アイス」

シンプルなアイス。どこかで見たことがあるようなアイス。でも、一口食べてみてください。こんな濃厚なアイスがあるのか? と舌を疑うような味なのです!

アイスに限らず、仕入れる食材や商品はすべて西川さんが現地に足を運んで、内容を確かめたものだけを使用しているとのことですが、こちらもどこの商品なのか教えてもらえなかった謎の絶品アイスでした。

異文化を受け入れる堺が育てた料理

私が、「こだわりが強いですね!」と言うたびに、西川さんは、

「強くないんです。好きなだけです」

と、笑顔で答えておられました。

そして、このような特別なピザを作ることができたのは日々の試行錯誤だけではなく、堺という土地が大きく関係していると西川さんは言います。

「堺は、もともと異文化を受け入れる町です。だから、本場イタリアのピザでもなく、宅配ピザのようなものでもない私のピザを受け入れて、しっかり今まで育てくれたと思っています。この町があったからこそ、今までお店を続け来られたと感謝しています」

すべての謎の真相をお届けすることはできませんでした。しかし、あんなにおいしいピザを作って、外から見ればどこまでもこだわりを持ち続け、儲けよりもお客さんの満足度を優先する。そこまで、おいしい料理を提供することに情熱を持ち、努力しているのにも関わらず、ド謙遜してしまう西川さん! それこそが、このお店にとって、もっとも根深い謎だったのかもしれませんね。

お店情報

キャンティ

住所:大阪府堺市堺区中向陽町2-3-1
TEL:072-238-3978
営業時間:平日・祝日 17:00〜21:30(LO 21:00)、土曜日・日曜日 12:00〜21:30(LO 21:00)
定休日:火曜日、第二・第三月曜日、8月休業

※この記事は2017年7月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

書いた人:ハシモトアカネ

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大阪在住の覆面ライター。たけし軍団への入団を断られて以来、まっとうな仕事に就くことなく売文業一直線。WEBや雑誌の編集をやりながら、ペンネームで各媒体に原稿を書き続ける日々。

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