【清水英斗の世界基準のジャパン目線 第53回】【清水英斗の世界基準のジャパン目線】キリンチャレンジカップで世界に知られた、ハリルジャパンの攻略法

【清水英斗の世界基準のジャパン目線 第53回】【清水英斗の世界基準のジャパン目線】キリンチャレンジカップで世界に知られた、ハリルジャパンの攻略法

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  • 更新日:2017/10/12
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ニュージーランド、ハイチとの2試合を通じて、ハリルジャパンとの戦い方を相手がわかっていることが、わかったのは収穫だった。

日本に対しては、中盤を3ボランチの守備に変え、すき間で動く日本のアタッカーを追いかけて捕まえる。中央は特にコンパクトにし、サイドは攻めさせてもOK。クロスを跳ね返す。ニアサイドの低いボールに注意。蹴り出したボールは、フィジカルモンスターのFWが収めてカウンターに行けば、広大なスペースで防ぎ切れるDFはいない。以上で詰み。両チーム共に、序盤の守備はひどいパフォーマンスだったが、戦術を修正してからは、逆に日本が行き詰まった。

ワールドカップ本大会で、相手がここまで守備的な戦い方をやるかどうかはわからない。ただし、序盤でうまくハマらずに日本に押し込まれたら、このような守備ブロックに切り替えればいい。

ニュージーランドとハイチは、日本との有効な戦い方を明らかにしてしまったが、本大会になって、びっくりポンで出されるよりはマシだろう。今の時期に、ハリルジャパンの弱点はみんなにバレバレだぞと、わかったのは収穫だった。

ボールを持たされたとき、引いて守られたとき、どうすれば崩せるんだろうか。

どちらの試合でも、終盤にゴールを挙げた形は、サイドバックが絡んでいた。このポジションに高い位置を取らせ、サイドを起点に、両インサイドハーフはバランスを取れるハードワーカーを置く。それが良さそうな気がするが、ハリルホジッチはどう考えるんだろうか。

その方法論はともかく、香川真司、酒井高徳、小林祐希など、このハイチ戦後はハリルホジッチとの考え方にズレを感じ、話し合いを行う必要性を口にする選手が多かった。

選手は意図してポゼッションし、意図してタメを作っているが、ハリルホジッチはそれを否定する。戻すな、止まるな、前に運べ。その様子は2試合で何度も見られた。

たとえば、ニュージーランド戦の前半23分、相手にボールを追い回されているとき、日本はパスを回してかわし、山口蛍からパスを受けた井手口陽介は、バックパスを戻して落ち着かせた。相手のプレッシングをかわし切った形だが、テクニカルエリアのハリルホジッチは手を横に広げ、「なぜだ!」と不満を露わにした。

そういうシーンはすごく多い。日本の選手はプレスをかわし切りたい、と思っている。寄せられないようにしたい、と思っている。しかし、ハリルホジッチは、かわしたらその勢いのまま前へ行け、戻すな、と怒る。

おそらく、ハリルホジッチの要求に完璧にフィットしているのは、浅野拓磨と原口元気、乾貴士くらいだろう。サッカーの相性もいい。しかし、前述したように考え方のズレに悩む選手もいる。

今はお互いに90分を通じた印象を話すだけで、あまり具体的ではない。ハリルホジッチも「ポゼッションのみでは意味がない」という言い方で、ポゼッションのすべてを否定するわけではないし、前に行けるところで行かないから、不満を表すだけ。具体的に、どのシーンでポゼッションしたのはOKで、どのシーンで後ろに戻したのがダメだったのか。細かく映像を見ながら、選手と監督がディスカッションし、戦い方を整理しなければいけない。

ただし、その過程でツラいのは、ハリルホジッチの話が長すぎることではないか。独演会のように、一方的にしゃべりすぎる。本人は「ディスカッション」と言うが、選手は「まあ監督が一方的に話す感じですけど」とよく言っている。

今回のハイチ戦後の記者会見も30分近くかかったが、内容は3つくらいしかなかった。いつもそう。正しいことを言うが、話が長い。十分の一でいいのに。これでは相手が意見を言うすき間がなく、キャッチボールにならない。ポゼッションを否定するくせに、話のポゼッションは90%以上握るから困ったものだ。

ベテラン記者によると、フィリップ・トルシエのときも、そんな記者会見だったらしい。そっくりだと。ただし、トルシエの場合は1時間。通訳も同じタイプだから、2倍かかったとか。フランスはそんな人ばかりなんだろうか……。いや、フランス代表のディディエ・デシャンは会見で簡潔にしゃべっていたし、まあ、人によるんだろう。

もちろん、「やれ」と命令されれば、日本の選手はその通りにやる。しかし、モヤモヤしながらやるのは良くない。今後のためにハリルホジッチは、自分のポゼッションから見直してみてはどうだろうか。(文・清水英斗)

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