世界中を旅行しながら仕事続ける方法

世界中を旅行しながら仕事続ける方法

  • WSJ日本版
  • 更新日:2016/12/01
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米IBMで財務アナリストとして働くジェレミー・ミラーさん(26)は、スプレッドシートを読み込んだり、電話会議に参加するなどして1日を過ごす。ただ、そうした業務をこなすのは、セルビアやポルトガルやモロッコなどの旅行先からだ。

ミラーさんは、仕事を辞めることなく世界中を旅しながら業務を続ける「リモート・イヤー」というプログラムに参加している。本来の職場はニューヨークにあるが、7月にはクロアチア沖に浮かぶボートの上から大きな仕事を終えた。「ボートの上で必死に計算を続けていたよ」とミラーさんは当時を振り返る。同プログラムには数百人が参加する。

2015年にリモート・イヤーを立ち上げたグレッグ・カプラン氏は、メールやビデオ会議が普及した時代にオフィスで仕事を続ける意義を問いたかったと語る。そしてこの考え方はキャリアも冒険旅行も楽しみたいミレニアル世代を魅了しただけでなく、柔軟な職場環境で若い労働力を引きつけたい企業側にも受け入れられている。

参加者は12カ月で12都市を旅し、日中は仕事を続けながら週末や夜間は観光などを楽しむ。米インターネットサービス大手AOLやコンサルティング会社のブーズ・アレン・ハミルトン、オンラインメディアのアップワージーの従業員などが参加するが、全員が職場から数千キロも離れた場から仕事を続けている。

参加費は5000ドル(約56万円)で、その他に毎月2000ドルの支払いが必要だ。これらは移動費や宿泊費に使われるが、企業が一部を肩代わりすることもある。これまでに約30万人が応募し、2015年以降で約500人が世界各地に旅立った。

プログラム参加者は自分たちを「デジタル・ノマド」呼ぶ。主な年齢層は25歳から35歳で、平均年収は7万ドル。マーケティングやデザイン、会計などの分野で働く人が多いという。

サーフィン後に仕事、そして再びサーフィン

リモート・イヤーは先に、投資会社ハイランド・キャピタル・パートナーズが率いた資金調達ラウンドで1200万ドルを得た。同資金はクロアチアでのオフィス設立費用のほか、すでに進出している国での活動拡大に充てられるという。「これがビジネス拡張のための滑走路となり、数千人に機会を与えられるようになるだろう」とハイランド・キャピタルのダン・ノバ氏は話す。

クーポン共同購入サイトのグルーポンやベンチャーファンドで働いていた経歴を持つカプラン氏は、旅行しながらでも仕事の生産性は保てると企業を説得している。IBMからは現在2人の社員が参加しているが、2017年には十数人に増えるだろうと同氏はみている。IBMはこうした数字について確認していない。

今年のリモート・イヤー参加者はモロッコのアトラス山脈でハイキングなどを楽しむ機会に恵まれた。ポルトガルでは米国東部の就業開始時間を前に、平日の朝からビーチを散歩する参加者もいたという。「朝にサーフィンをしたあとに近場のカフェで仕事をして、そのあと再びサーフィンをするような生活だ」とミラーさんは明かす。

クラウドコンピューティングを手掛ける米ラックスペースで技術者として働くマーティン・スミスさん(33)は、テキサスの本社を離れて海外で1年間仕事をすることに魅了されたと振り返る。会社側も社員にとって魅力的な職場であり続けたいとして、スミスさんがリモート・イヤーに参加することを許可。現在はタイに滞在しているスミスさんは、以前からリモート環境で仕事をしていたこともあり、自然と新たな生活にもなじめたと話す。

本社との時差の違いを考慮しながらの業務など、旅先で仕事を続けることにはいくつかの難しい側面もある。しかしグーグルドライブやメッセージアプリなどをうまく利用することで共同作業も可能になるとカプラン氏は話す。

「やりたいことがたくさんあるので、積極的になれたと感じる。仕事を終わらせたくなるよう触発されている」と話すミラーさん。来年5月までニューヨークには戻らない予定だ。

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